フューチャーの意味

監修者/藤永 保・当時お茶の水女子大学 発達心理学教授

未来を知りたい、他人の心を知りたい、引いいてはそれを思いのままに操作したい、というのは人間にとって昔からの願望でした。占星術、テレパシー、超能力などへの今も引き続いている根強い関心は、それをよくよく物語っています。

予知物語が小説の形をとって現れた名作は、芥川龍之介の「杜子春」でしょう。この作品のいいつくしがたい面白さは、仙人が幻術の形を借りて描き出す杜子春の運命にあることは言うまでもありません。

「フューチャー」も、アニメ作品として具現化された予知物語です。「杜子春」と同様、ここでも主人公は自分の運命を知ることによって、かえって賢明にもそれを避け、よりより未来を築くことができました。この点が「フューチャー」の最大の魅力となっていることは確かです。

しかし、この作品はただ面白さを狙ったものではなく、最大の狙いは現代の子どものより良い成長のあり方を考えるとことにあるのです。

ですから、これをただの勤勉努力主義や立身出世物語と受け取ってはなりません。私たち日本人は過去に経済成長の時代以来、世界的な立身出世主義者として大成功を収めてきました。しかし、他ならぬその勤勉努力が今や様々な経済摩擦をひき起こしたことは、到底否定することはできません。

勤勉努力を一度に捨て去ることはできないし、望ましいことでもありませんが、これから先は、やみくもの勤勉さではなく、何か人間としての豊かな目標を持った努力でありたいものです。

 

子供の未来像をそのような目標に次第に切り換えていくことは、日本人全体にとって実に実に大切な課題だと思います。そうすれば、昔の日本と同じように貧しい地域の人々への社会的関心や、単なる努力を超えた創造性への希望なども芽生えてくるように思われます。

そう考えるとこの物語は、実は日本の子ども全体の、あるいは日本の教育の未来物語でもあるわけです。

その点で、宇宙仙人ゾーンの最後のメッセージは、よくよく味わう価値のあるものでしょう。多くの方々に、この物語の意味を深く読み取っていただけるように心から願う次第です。

子供のやる気を引き出すアニメ Anime-future

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